自己組織幹細胞について

治療に用いる幹細胞についてご紹介いたします。

当クリニックの治療に用いる自己組織幹細胞

幹細胞と定義された細胞を含む自己細胞の集団を「自己組織幹細胞」と命名しています。この組織幹細胞を採取、培養して体内に戻す際、技術と経験を生かして安全に、より効果があるように工夫しており、それが当クリニックの特徴でもあります。

自己組織幹細胞の分離・培養法

脂肪組織などの組織幹細胞を含む組織を3次元基材上に置き、最も早く増殖してくる細胞を組織幹細胞として分離します。この分離した組織幹細胞を自己血清とChemically Defined 培地と呼ばれる完全合成培地のみで培養します。

分化能の検討結果

上記の方法で分離、培養した組織幹細胞が骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞と神経細胞に分化する分化誘導培地で2〜3週間培養するとそれぞれの細胞の特徴を示す細胞になります。この結果より、当クリニックで使用する組織幹細胞には分化能をもっていることを確認しています。

自己複製能の検討結果

分離、培養した組織幹細胞を拡大培養して行きます。30PDL(30回分裂し増殖)の細胞に分化能が残っているか、実験をしました。その結果、細胞の増殖速度や分化能は若干低下(分化する細胞の割合が少なくなる)しますが、分化することが確認できました。当クリニックでは20PDLまでの組織幹細胞を使用します。

凍結保存した組織幹細胞の性質

当クリニックの組織幹細胞を5年間凍結保存した後に、解凍、培養し、分化能の有無を調べました。その結果、3種類の細胞(骨芽細胞、軟骨細胞と脂肪細胞)に分化したことから、分化能を保持していることが確認できました。